3-B11 時間とクロマが循環する音楽をトーラス面上で制作するシステム
https://scrapbox.io/files/639b7059121bcf001d18a8c4.png
概要
楽譜やピアノロールは時間と音高が直交する二次元ユークリッド空間であり,それらの循環構造を
生かした音楽が存在する.
クロマはオクターブの中で分類される音の相対的な位置を表し,音高が1オクターブ変化するごとにクロマが循環する.また,短い旋律をループさせる,時間的な循環を主体としたミニマルミュージックという音楽形態が存在する.
本研究は,旋律とクロマの循環を効果的に表現した記譜法の提案により,新たな音楽表現を生み出すことを目的とする.
トーラス面への記譜とシェパードトーンを利用し,旋律とクロマが循環する楽曲制作システムを試作した.
トーラスの構造を利用することで,循環するクロマと時間を縦方向と横方向に表現した楽曲制作が可能となった.
シェパードトーンを用いることで,12 音で無限音階をはじめとしたオクターブ間の上昇や下降を含む楽曲の制作を可能にした.
本稿では,このシステムがもたらす楽曲制作における新たな表現の可能性について考察する.
論文リンク